緊急事態宣言中ではありましたが、父の四十九日のため実家に帰省したときのこと。
母が、ふとつぶやきました。
お母さん、何のために生きてるかわからんわ・・・
( ;∀;)
そんな悲しいこと言うなよ~って思いながら
何で?
って聞いてみたら、
あんたら子供もみんなしっかり生活できてるし、お母さんが助ける必要もないし、手のかかるお父さんはおらんようになったしな。
私はすかさず言い返しましたよ。
私らしっかり生きてるように見えるかもしれんけど、それはお母さんがここにいてくれると思ってるからや。
その存在に支えられてるってことやねんから、心して生きてくれ!
これは、本当に心からの声で、母を慰めるために出た出まかせではないけれど、しっかり届いてくれたかな。
亡くなった父は、決していい夫ではなかったと私は思う。
いつも母を困惑させ続けていたし、母のおかげで何不住なく衣食住を満足させられていたにもかかわらず、感謝の言葉は一度もなかったし、母の行動は束縛するし。
いつも言っていたのは、誰のおかげで生活できてると思ってるのじゃ?っていう言葉。
何かあれば印籠のように投げつけてくる。これを言っちゃーグーの根も出なかろうって父は思ってたみたい。
そんな父が、あっさりこの世におさらばしたとたん、母のもとに完全自由が転がり込んできた。
長年こんな日を待ちわびていたはずなのに、
なぜか・・・そんなでもない…ことに気づいてしまった母。
困った人を見るとほっとけない母
スーパーに、香典返しをするためにサービスカウンターに立ち寄った。何軒分もの送り先住所を書き、処理をしてもらっていたところへ、お客さんが順番を黙って待っていた。
サービスカウンター担当は一人しかいないのに、そこを私たちが長時間占領してしまっているので、母は
先にあの方のをしてあげてくださいと申し出た。
そのお客さんは50円玉二枚を持って100円と両替してほしいという依頼だったけど、店員さんはマニュアル通りに、丁寧だがしっかりとお断りしてしまった。
お客さんも仕組みがわかっていたのか、あっさり諦めて立ち去ろうとしたんだけど、そこを呼び止めたのは母でした。
はい、これ。
と、100円玉を差し出して両替を成立させた。
お客さんは助かりました~と笑顔になり、それを見ていた店員さんも、ありがとうございますと笑顔になり、私も笑顔になった。
母は、躊躇なくこんな行動に出れる能力の持ち主。
困っている人に迷うことなく手を差し伸べられる人。
パーキングの精算機。
最新なのか、入庫の時にナンバープレートを読み取って記憶し、出庫の際は、自分の車のナンバーを入力し、買い物のレシートのバーコードを読ませて料金が決まるシステム。
私も、初めての時はわからなくて書いてあるものを片っ端から読むんだけど理解不能。ひょいと来た清算中のお客さんに勇気をもって教えてもらった過去がある。
母は、ここの常連なので、そのシステムはよくわかっていた。
ある日清算中のお客さんが仕組みに戸惑っていたせいで、精算機が混みあってしまった。
母は、直ぐに気が付いて、たーっと走っていくや否や、清算の仕方を指導し始めた。
あら、レシートは車やわ(;゚Д゚)
取っておいで、私がここで待っとくからね。
なんて感じで次の人にもその次の人にも指導。
若いお兄ちゃんは、レシートを捨ててしまったらしく、
何でやねん!もったいないよ~
って母に突っ込まれてました。
いいキャラしてるでしょ。
時には、やりすぎた・・・と落ち込むときもあるけど、考えるより先に行動しちゃう人なんです。
母を尊敬するもまだまだ程遠い私
母は、してあげることに生きがいを感じる人なんだと思う。
見返りなくても、できる人。
だからいつも人がそばに寄ってくる。
母の周りに来る人に父は嫉妬していていて、こいつは自分だけのものだ!と囲いたかったのかもしれない。
非常識なふるまいをしたこともある父に見切りをつけず最後まで寄り添った母。
夫婦の形は人それぞれでいいのかもしれない。
死ぬほど腹の立った日々を懐かしく振り返るれるのは、幸せな証拠。
そんな母に育てられたにもかかわらず私は欲深い人間で
旦那さんをコントロールしようとしている鬼嫁かもしれない。(;^ω^)
昨日、旦那さんは会社一年継続宣言を提出したと報告くださった。
ここから、1年6か月。
苦難の日になるかもしれないけど、私なりに無償の愛を降り注ぎながら、見えない鞭で尻をたたいてゴールを目指そう。
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